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椎津川再び


市原市青葉台の家、補足作業で樹名板の設置にきました。低木含めて55枚。少なめに植えた方だけど、数えると結構ありますね。


ウグイスカグラとウリカエデ。ウグイスカグラはその辺の里山の林縁でもちらほら見かける中低木。花を見かけるとちょっと嬉しい気持ちになります。赤く熟す実も甘くて美味しい。ウリカエデは里山というより房総丘陵で見かける高中木でおよそ楓の仲間らしくない葉っぱのかたち。紅葉が美しい。健やかに育ってくれると良いな。


季節的に芝が早くも伸びはじめていました。水やりして作業完了。建物付帯の照明工事も終わり、いよいよお引っ越しのようです。


作業後はすぐ近所のお宅へ。先日作業していた時に声かけていただき、既存樹木のお手入れ相談。写真はくたんくたんかつ伸び放題なシマトネリコ。地の樹木じゃない雰囲気が漂ってしまう。以前、東京の板橋区の事例を書いたけど、調べたら東京都の各区では現在シマトネリコをはじめ、その土地や地形に合わない樹木は植えないようにするガイドラインを作りはじめているんですね。地域に元々自生する樹種を混植するようにとも。素晴らしい。防災面でも役立つと思います。


さて、事務所へ戻る前に近くの袖ケ浦市川原井〜御領。先日椎津川とエンダーマンで椎津川について書きましたが、こちらは源頭の一つとなります。


一回しか行ったことがないですが、噂ののうえんカフェの近くですね。画像真ん中あたりが谷地の始まり(拡大します)。


分水嶺的に走る背後の何気ない道はかの鎌倉街道。この辺りに端を発する川は深城川とも呼ばれています。ちなみに、この鎌倉街道について事務所から歩いてみたことがあるので参考にどうぞ↓


もう一つ古地図比較。真ん中の市原市立野あたりが椎津川本流の源頭となりますが、現在ゴルフ場内のため確かめる術はないし、大体どうなっているか想像がつくので興味なし。また地図の左下から右上にぼんやり浮かび上がる道が↑の記録の続きにあたる鎌倉街道とされています。この後養老川を渡るために山を降りるのですが、安須あたりから道は不明。おそらく上総の国府(未発見)へ続いたと思われます。比較地図は歴史的農業環境閲覧システムより引用。


源流から少し降った道沿い。地図には堰もあるようだけど、藪すぎて近づくのは困難。冬季ならいけるかも。ドローン飛ばして覗いてみたい。


林縁に見られたマメ科の花二つ。秋の七草の一つであるヤマハギと荒れたところから深いところまでちらほら見かけるネコハギ。他にツルボやヤマゼリ、ヤブマオの仲間の花が目につきました。


車でちょこちょこ移動。降って川沿いの田んぼ。旧深城村あたり。この辺りは耕作される田んぼが点々と残っています。


流域の中では最も古そうな姿を残している川の様子。ただ、手入れがされなくなり藪に覆われて真っ暗なのが勿体無い。


放棄され湿地となっている田んぼ。タコノアシ、コシロネ、マツカサススキなどが目立ちました。じっくり探せば色んな植物が観察できるかもしれません。


ちょっと嬉しいニホンアカガエルとの出会い。結構たくさんいました。環境的にヤマアカガエルの方がいそうだけど。海も近い低地だからでしょうか。


川とは反対側の谷津林縁道路沿い。湧水がたくさんあります。覗くと厳しい生存競争が・・。羽化したてだったのでしょうか。無常。


事務所も近い限界集落桜台団地下、旧山谷村あたりはコンクリート三面張りの水路風情に。写真左は有秋南小学校。この辺りは前述のヤマップでの散歩時に深城池含め写真を撮っているので参考までに。


川沿い北上。霊光寺下路傍にたつ庚申塔。有秋中学校あたりまで水路風情。


有秋中学校前で再び自然護岸へ。水面にはオオカナダモが茂る。エビモの姿は見えない。下の写真のように緩衝帯となって水の流れを複雑にするのは水草の大きな役割のように感じる。


道も細く、山も近くなる旧不入斗(いりやまず)村あたり。路傍に子安観音と庚申文字塔。台地へ上がりそうな道が分かれているので少し歩いてみる。良い雰囲気。


尾根上にはでっかい椎の木。尾根端を振り返ると何やら石像物が一基。


道六神。道祖神と同じ意味だけど、この辺りではあまり見かけない。再び椎の方を見るとこれまた足元に石像物が・・。


こちらは山神。どちらも大切にされている様子が垣間見えました。道路からの参道?が急峻かつ滑り台でデンジャー。


湧水が豊富らしく、ドバドバ溢れてもはや滝のような林縁の様子。


短い距離ですが、原風景のように小さく幾重も蛇行する椎津川。この形を大切にして、もう少し明るくなると、素晴らしい場所になる予感。


ちょっとだけ水路風情になり、先生がキャッキャしていたあたりに着いて終了。この辺りからエビモが見られます。複雑な水の流れを見ていて気が付いたんですけど、このギザギザした水路の側面が意外と良い効果を生み出しているように思える。のぺっとしたコンクリ壁面に比べると。


という感じで海から源頭までわかりやすい椎津川。冬に通して歩いてみたいですね、忠実に川芯を。


事務所について、わがまま猫と戯れつつ人待ち。あたりは真っ暗。先日日記に書いた余った芝について、希望をいただき引き取ってもらいました。引き取ってくれたのは、香取郡東庄(とうのしょう)町からお越しの柳堀さん。元テレビマンとして映像制作会社を運営⇄東庄町にて廃校の活用をしたトゥーノーイシデショウ/オンラア未来会議などを主宰していて、芝はこの廃校で使用するそうです。必要としている場所に行ってくれて嬉しい。


トゥーノーイシデショウ
https://toknow.jp


活動休止を発表しており、最終作となることは決まっているレコードが届く。明日発売。HYOZOが気持ちを込めたレビューを書いてくれることでしょう。


世界から絶賛され、日本国内では評価されないまま終わる。大丈夫なのだろうか。