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翡翠と浦菊と流域思考


引き続き、袖ケ浦市のM様邸庭工事の続きへ。一箇所だけ大穴掘って諸々を拵える。スピード勝負なところがあり、経過の写真を撮れずじまい。


掘って出てきた貝の中で綺麗なものを集めてみる。二枚貝の細かい種類までは分かりませんが、ツメタガイやキサゴもあり、下層の砂は海由来のものであることが分かりました。数百〜千年前は海だったということでしょうか。


山を歩いていると岸壁によく見かける化石、っぽいもの。これはときめく。小学生の頃、自宅近くの公園で土を掘ったらこういう固まりのでっかいVer.が出てきて、今でも実家に置いてあるなぁ。。


一部改善作業を行いつつ、高木の地下支柱作業状況。


お昼、駅前から線路沿いを少し散歩。宅地の中に残された放棄水田にて僅かにみられたシロバナサクラタデの花。


松浦造園時代に作業したお庭が付近にあり、木々の状態を確認。ほぼ手が入ってない様子で、土壌的に木々の成長はかなり遅いように見えました。板塀の経年変化含めて参考になる。作業中に声かけてもらったお隣さんと含め連続した雑木の庭になっていて、一帯に良い空気流れています。


水路を覗き込んだら奥の塩ビパイプからカワセミが飛び出してきてびっくり。都会派。こういうところに巣を作るようになったのかな。


お世辞にも良い環境とは言えない水路ですが、むむ!水草発見。


波打つ特徴が薄いけど、葉っぱの形状からしてエビモだと思います。在来の水草の中でも水質汚濁に強い水草。最後の砦ですね。


数年前は何にもなかった袖ケ浦駅前。すっかり様変わりしていました。これからもどんどん変わっていくのでしょう。


植栽地ではないけど気になるところの穴掘り。しばらくゴミやガラだらけの残土の層で閉口。昔ならまだしも今の時代の造成工事コンプラ的にアウトではないのか・・。周りも全部そうなのかな。さらに下はその影響でカッチカチに固着した砂の層。ぶち破ります。

 

固着した層を抜けると柔らかい砂質の層がどこまでも続く。


水が底ではなく横から吹き出してくるのでスピード勝負。行けるところまでは掘れた。あとは経過を見て、こういった点穴をどの場所に何箇所掘るか判断します。土を全部入れ変えるのは確実だけど規模がデカすぎる。そんな大掛かりなことをせずとも、良い方に変わるように簡単な仕組みを作れば土は勝手に良い方に変わってくれます。


昨日植えきれなかった木々を植えて本日の作業は終了。来週中頃から低木〜菜園などの造作工事に入ります。引き続きよろしくお願いします。


戻りながら椎津川の旧河口あたりに寄り道しました。写真左が古い海岸線、右手は埋立地、という橋上からの眺め。


埋立地側、コンクリート上の僅かに砂が堆積した部分にウラギクやシバナがみられます。シバナは花が終わって果実を作り始めていました。


こちらは旧海岸側、高さによってシバナ、シオクグからアイアシと変化する植生。


何度と触れているシバナは塩性湿地の絶妙なバランスの立地に生える植物。ここは千葉県において残った最後の自生地であり、関東地方最後の自生地でもあります。その名の通り、海の味がする葉っぱがとても美味しい。市原市が誇るべき存在の一つ。


ウラギクの花はたくさん咲いています。別名ハマシオン。漢字で浦菊と書く通り、干潟後方の塩性の高い砂地に見られます。こちらは絶滅危惧II類にあたる要保護生物となっています。周りの景色込みで好きな植物、以下ウラギクギャラリー。


日が短くなり、どことなく寂しげな風情の中で咲く花姿は綺麗です。秋の海です。海が好き。


養老川で見たようなはっきりとした指の足跡がここにも。アライグマですかね??増えてきたのでしょうか。


帰路の橋の上より、流木の上にカワセミがいる。今日はよく出会う。ポンコツiphoneカメラで頑張ってズーム。


飛んだ。


水面スレスレ。


椎津川は源流まで市内で完結するコンパクトな川であり、意外と希少な生き物が見られ、地下も含めた流域思考で多くの検討ができる素晴らしい環境。おあつらえ向きな表現をするならば、未来のまちづくりに必須な考え。直近で椎津川再びおよび椎津川とエンダーマンという日記を書いています。