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戦のひっこし


仕事出発前の武田屋にてキキョウが一輪開花していました。
雨も露もあたらない、日照条件悪い、コンクリートに囲まれて暑い、という過酷な環境の中でとても健気。


弱って枯れそうな庭木を一本伐採伐根してほしいという現場へ。
ご依頼をいただいてからかなりお待たせしました。申し訳ありません!
確かにあまり元気がなく、このままだと枯れてしまいそうなソヨゴ。


上から切って行こうと思ったけど、もしかしたら掘り取れるかもしれないと思い、少し掘ってみるとびっくり。ほとんど根っこが伸びていない。植えてから10年ほど経つそうですが、四方をコンクリートブロックに囲まれて通気性が悪い状態だったようすがうかがえます。


改善して様子を見てみるという選択肢もあったけど、ご了承をいただいて今回は持ち帰ることにしました。結構重たかった。
もともと掘り取る予定はなく、根巻材料や遮光ネットも持っていなかったので急いで事務所へ。


根巻状況。ちなみに木々を移植する前、細根の成長を促すために行う作業を根回しと言いますが、社会に出てからよく聞くいわゆる根回しという表現の語源です。


無事に仮植完了。あとは根っこの成長を祈る。
今日は日差しの色が濃いですね。


材料を運びながら水場の脇を通ったとき、水面から出る小さなおじさんの顔(のようなもの)が横目に見えてギョッとする。嘘ではないです・・。恐る恐る近づいたら水の中に消えてしまった。


じっと待っていたら出てきた。ピントが合ってないけど奥にいる姿が見えますか?
たぶんウシガエルの幼体。どこから来たのだろう。近くに本当の水辺らしいところはないのでその移動能力に驚く。いわゆる外来生物で人間が持ち込んで広がってしまい、生態系の攪乱を引き起こしている生き物の一つです。


そんな水場でこれまたピントが合っていませんが、どこからか飛んできて住み着いているオオシオカラトンボの♂♀ペアが顔の周りでこれ見よがしに飛び回り、イチャついている様子を一枚。


その脇でハチの仲間に捕らえられるツユムシの仲間。


その様子をじっと見ていたオオカマキリの幼虫。

を、私が写真に撮っています。


18時からは恒例の週一お店番というか事務作業タイム in ゴヰチカ。


結構前に仕入れたSlowdiveのカセットが完売となりました。このあたりの有名な音楽はもう少し仕入れていきたい。さすがにマニアックすぎるという声がチラホラ聞こえるので・・。


そんなことを言いながら、少社会唱片から際どいリリース8/1発売予定。編集完了。今作は完全HYOZOアプローチ。まだ告知をしていないのでこれがどこよりも早い告知。さきほどアップして最初にいただいた予約注文はアメリカNYからでしたThank you!


閉店後、仕事が遅くなった嫁ちゃんを待つ間。
こみなと待合室の草屋根の木がついに枯れてしまいそう。嗚呼。
自分が水やりに来るわけにもいかないので、誰が愛情を注げるのか、気遣ってあげられるのか。こういう所に主がいない店舗仕事の難しさを感じる。


先生を預かってもらっていたわが実家武田屋商店の店構え一枚。

今年は何か変。何が変かと考えたらあかりに虫が全然飛んでこない。母も言っていたけど、毎年梅雨が明けるまでに規則正しく3回大発生して飛んで来る羽アリが今年はまったく見られない。今年だけの変化かも、でもちょっと心配。


ここ何年か通して起きた確実な変化と言えば、コマツモムシなどの小型の水生昆虫が5年前を境にピタリと飛んでこなくなったこと。

自分が子どものころはミズカマキリやコオイムシなんかの走光性がある大型の水生昆虫も飛んできていましたが、それは子どもの頃のまるで遠い昔のおぼろげな記憶。

先生(念のため、息子です)は今、そんな記憶すら残せない世界に生きているんだと思うと、ちょっと申し訳ない気持ちになる。

こんな変化を悪化と感じる人は少ないかもしれませんが、自分のカラダを構成し繋ぎとめている体組織が少しずつ無くなってく様子に例えるとその恐怖が伝わるでしょうか。

ゆっくりと時間をかけて自然はその傷部分をリカバリーするとはいえ、あまりにも性急な変化は傷の綻びを繕うことはできず、結果的に人間生活も壊滅する。普通にご飯も食べられなくなる。そのぐらいの危機感を持った方が良いです。