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白船城と政平


急ぎのお仕事ということで、ご近所さん(株)住宅リフォームセンターより依頼の市原市若宮の空き家のお手入れというか開拓。まずは玄関までたどり着くことが目標。


玄関までたどり着いて主庭の様子。蜂にびびりながら作業を進めます。


木々に覆い被さられながらも咲いていた薔薇。種類までは分からずですが、家主がいた頃の庭の風景を偲ばせる。


10時の一服時、kurosawa kawara-tenの黒澤さんから「いりませんかー?」と、たくさんのカセットテープや書籍の写真とともに地図が添付されたメッセージが届く。場所は同じ若宮団地のもう目と鼻の先のところ!なんという偶然。というわけで秒で伺う。


なんでも、若宮団地で拠点作りに勤しむ小野さん(ex-Yawata Style)が以前の家主から家ごと譲り受けたそうで、そのお片付けの最中でした。テラスめっちゃ良いな。ON RE.プロジェクトの最初の点となり、ここはカフェにもなるそうです。


はあああ!いいんすか?全部いただきます。多分、この部屋を使っていた方は元バンドマンで、活動の熱量が溢れるデモテープとか、中学校の合唱コンクールのCDとか。なんだかもう歴史です。ゴヰチカで◯◯家フェアもしくは展示とかやりたいぐらい濃いストーリーの大洪水。


個人的に存在だけで一番グッときたのはこのカセット。なんとまあやまがたすみこが歌っているらしい・・。現代では絶対にこのベクトルにエネルギーは使わないであろう社歌というもの。武田屋作庭店の歌を作ってカセット作ろうかな。


City Popを掘る人はこちら。


そんなこんなでお昼。すぐ近くに城址があるのでぐるっと散歩。


明治時代の比較地図参考。独立台地で三方水に囲まれた割と要害の地。でっかい古墳のように見えなくもない。古地名は上総國市原郡山木村字城ノ内および字外白船(としらふね)など。こう見ると若宮の団地も田んぼの上に作られていますね。

山木白船城跡(戦国時代)
https://www.city.ichihara.chiba.jp/maibun/isekifile1.htm

山木白船城跡下層(弥生時代)
https://www.city.ichihara.chiba.jp/maibun/isekifile56.htm


台地北東の下。一段低い道が堀跡に見えなくもない。


古地図にもある豪快な坂道。堀切の要害道に見えなくもない。左にある豪邸はどうやら空き家になってしまった様子。


台地上にあるちょっとした草っぱらは見晴らしが良い。弥生時代ぐらいはすぐ目の前が海で、それこそ船のように浮かぶ小島のような立地だったかもしれませんね。


もう一つの古い道は一瞬だけ山道風情。明るいところでは紺菊の仲間が、山中では森としては瀕死な感じを伝えるヤツデが繁茂しています。


北西側の台地下に至る。水路には鯉が群泳。


のどかな道。勝手に植えて勝手に愛でている感じがとても素敵。ススキとワレモコウなど。


休耕中の田んぼ一枚だけ観察。シロバナサクラタデとアカバナの花。

 

むむ!水草を発見。接近。


どうやらコカナダモのようです。北アメリカ原産。たくましい。


山木三叉路交差点とそこから望む白船城跡。伝承はあるものの詳細は不明なお城。豪族の館程度のものだったかもしれません。現在は会社の寮となる建物が建っていて立ち入れず。ちなみに、自分が幼かったころは城郭の天守を模したラブホテルがデーンと建っていて、すげー城だ!とか思っていたんですが、本当に城跡だったと後から知ってびっくりです。当時建てた人の無茶なセンスに乾杯。


現場に戻ったらミーティングが開かれていた。猫が集まってワイワイやってるのは季節的なもの??


絡まるつるに苦闘しながらもキリが良いところまで。そとが見えるぞー。工程としてはあと二日を予定しています。


ちなみに10時のカセットテープ回収屋さん時、一番嬉しかったのはこの政平との出会い。サビサビでしたが磨いて油を塗布。大切に保管しておきます。

大野正敏さんについて書かれたブログ
大野鋏製作所 政平  2013年 廃業
https://ameblo.jp/yariganna/entry-11458880196.html

繋ぐことができなかった地元の誇り。かなしい。